高校生の頃に病気で入院したことがあります。初めての入院で心細かった私を看護師さんが優しくフォローしてくれました。それがとても嬉しくて、今でも忘れられません。そのことがきっかけで私は看護師になることを決めました。高校を卒業してからは看護専門学校に進学しました。
卒業後は結婚して出産するまでの約8年ほどを大学病院で勤務しました。患者さんがいくら病気やけがで入院されているとはいえ、中にはとてもわがままでこちらの指示に従ってくれない患者さんもたくさんいました。毎日、何かに悩んでいました。どうすれば、話していることを納得してもらえるのか、どんな言葉かけをすれば不安を少しでも和らげてあげることができるのか、毎日が勉強で、毎日が戦いでした。しかし、同じことでずっと悩み続けることはありませんでした。患者さんは、遅くても半年後には別の病院に移ってしまいます。退院できる患者さんならもっと早くに居なくなります。同じことで悩むことはなかったので、気持ちの切り替えもできるようになりメンタル面のコントロールも、うまくできるようになりました。
それが通用しないのが育児です。一歳の頃に迎えるイヤイヤ期は本当に悩みまくりました。子どももうまく言葉を話せないので、何を伝えたいのかわからないし、してほしくないことを注意していても言葉の意味が分かっていないのか、何度も同じことを繰り返します。唯一、頭を悩ませなくていいのは子供が寝ている時間ぐらいのものです。それ以外は、ずっと一緒に居ます。一人になる時間も確保できません。しかし、イヤイヤ期の子どもと付き合っていくうえで、一人の時間を作り頭を冷やし考えを冷静に保つことは母親にとってとても重要なことなのだそうです。